シンガーソングライターが教える! オリジナル曲の作り方

シンガーソングライターが教える! オリジナル曲の作り方

2024年8月10日

ギターやピアノでの弾き語りで曲を作りたいけど作り方がわからない!だれかから教わりたい!という方は一定数いるようで、「シンガーソングライター教室」なるものがあるようです。

筆者は学生時代から弾き語りでの路上ライブを開始し、18歳ごろからオリジナル曲の制作を行ってきました。今回は実際に制作した楽曲「ひかりとつき」を題材に、曲作りの知恵をお伝えできたら、と思います。

作りたい曲のテーマを用意する

まずは、作りたい曲のテーマを選定します。
料理に例えると、和食を食べたいのか、または洋食か、それとも中華料理が食べたいのかを考えるところです。

私はじっくり曲を作る場合はこのテーマを考える段階で、小説のようなものであったり、小説ではなくてもプロットを書いたりします。登場人物・登場人物の中の誰の話なのか・どんな気持ちの時の歌なのか。

ここで、オリジナル曲「ひかりとつき」の元になった文章をお見せしますね。

人通りのない夜道を、

僕のより少し小さな手を引いて早足で歩いた。

なにかから逃げるわけでもなく、

意味もなく。

ただただずっと歩き続けた。

空には少しだけ寂しそうな星が輝く。

つないだ手は少しだけ冷たい。

「朝なんて来なければいいのに」

今日は明日、昨日になって

夜はいずれ朝になる。

僕らが朝から逃れられることは、多分ない。

こういうふうに、雰囲気だけがつたわるものが文章に起こせずとも頭の中だけでも浮かんでいると作りやすいです。

難しいなという方は、既存の小説や映画をテーマに作るといいでしょう。

普段から、既存の物語に対して、感情移入する癖をつけておくと曲を作りやすいです。小説や映画の中の登場人物の心情やセリフを深掘りするとやりやすいです。

この人物はどういう気持ちでこういう行動をしたのか。どう生きてきたのか。何を信条としているのか、許せるもの、許せないものなど。登場人物の輪郭をはっきりさせるようなイメージです。

歌詞に登場させたい単語や雰囲気を考える

歌詞に登場させる単語、要はフックになる言葉や、曲を通しての雰囲気を考えたりします。

ひかりとつきのときは、フックになる言葉として「切ないのは夜のせいにする」とか、「鬱屈とした雰囲気」「彷徨っている感じ」などを考えました。

実際に歌詞を書いてみる

Aメロ

星が輝いてる 寂しい夜だ

つないだ手と手 つながらない心

Bメロ

どうして分かり合えないの 

いつでもただすれ違うばかりでしょう

サビ

切ないのは 夜のせいにして

ふたりで月に行こうよ

この世界から 遠く離れて

ずっと ずっとふたりで いたいよ

Aメロ

星が輝いてる 寒い夜だ

つないだ手と手 つながらない心

サビ

この距離は 夜のせいにして

ふたりで朝を待とうよ

月に行かずとも きっと僕らは

また一緒に 居れるから

これは完成形ですがあらかじめ歌詞にメロディを当てはめやすいように、文字数や語感を整えておくといいです。ひらがなで5文字・7文字の組み合わせにしておくと語感がよくなるし、日本人が好きな文字数らしいので、最初はそうするといいかなと思います。

一般的にはサビはキャッチーで覚えやすいものにするといいとされているため、事前に考えていたフックとなる歌詞はサビに使用しました。

コード進行やリフ(特徴的なフレーズ)を考える

ここからは文章から音楽にしていくフェーズです。

前項を料理に例えると、食べたい料理を決めて素材を集めるところです。

この項目ではいよいよ調理をしていく、といったところでしょうか。

ひかりとつきはギターでいうと5カポ(カポタストという巨大な洗濯バサミみたいな道具をギターの5フレットのところに挟む)でコードを考え始めました。

コードの完成版は

イントロ

F_Am_

Aメロ

F_Am_

Bメロ

Dm_Em7_F_G_Am_

サビ

F_G_E7_Am7 

アウトロ

F_Am_

という感じの構成です。

イントロは、暗闇をさまよい歩く足音を再現するために短い音を繋げたギターのリフ(特徴的なフレーズ)を使用しました。これはわりと最初に思いつきました。

こういう「思いついた!」というのを増やすには、普段から好きな曲をたくさんコピー・カバーしておくといいです。

世の中の楽曲には、お約束のコード進行(Just The Two Of Us進行や小室進行)、おなじみの展開などがあります。

定番と呼ばれるコード進行に「丸サ進行」というものがあります。椎名林檎さんのヒット曲「丸の内サディスティック」で使われているコード進行。以前は「Just the …
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そういう”よくあるパターン”を理解しておくと作曲の役に立ちます。

この「ひかりとつき」のコード進行はJust The Two Of Us進行(丸サ進行とも呼ばれている)を元にアレンジして考えました。

パクリ?それは大丈夫なの?と思ってしまいますが、コード進行には著作権がないので、使い回すのが普通みたいです。

いよいよ!メロディーを考える

「ひかりとつき」では歌いづらいメロディを取り入れたくて、低音から高音への移行を増やしたりしました。

先ほど考えたコードをギターやピアノで弾きながら、コードの構成音(コードは和音でできており、その和音の音一つ一つを構成音と呼ぶようです)の中で歌詞に合わせてメロディを考えます。

相対音感(カラオケでキーをいじっても楽に歌えたりする)みたいなものがあるとあんまり考えずに構成音を選べるので、メロディを作りやすいのかなと思います。

(相対音感は鍛えることができるようなので、YouTubeなどで動画をさがしてトレーニングしてみてください)

コードに合わせて鼻歌を歌いながら、歌詞を当てはめていく感じです。

メロディはいい感じにできてもすぐに忘れてしまうので、ボイスレコーダー(スマホアプリとかにある)を常に回しておきましょう。

私の曲はこんな感じで作詞作曲しています。

できた歌をしっかり録音してみる

ボイスレコーダーで録音した歌を元に、パソコンなどでしっかり録音して完成音源を作ります。

録音方法はいろいろありますが、手っ取り早く作品を公開したい場合は、曲を最初から最後まで通しで、弾き語り動画を撮るといいです。

弾き語り動画にはiPhoneであれば「impact」というアプリを使うのがおすすめです。エコーをかけたりできるので、いい感じに動画の音声を加工できます。

Impact is the quickest and easiest way to create truly exceptional sounding musi…
apps.apple.com

1回きりではなく、複数回練習しつつ録音(撮影)しましょう。

一発でいいものをとれたらかっこいいですが、凡人には難しいので繰り返していいものを作るのです。これは動画だけでなく、作詞作曲も同じです。

まとめ

オリジナル曲を作る(作詞作曲)のは、割と骨が折れるような作業の連続です。

最初からいい曲が作れるわけではないので、たくさん曲を作りましょう。

「ひかりとつき」は、人生で作った中の4曲目くらい。ど頭からいい曲が作れるわけではないし、当時は最高傑作だったけど、現在の私としては「もっといい感じに作れたのでは?」とも思います。

ギター弾き語りの曲が完成したら、ココナラなどで、アレンジ(編曲)依頼したり、レコーディングスタジオで録音をしてもらったりするのも楽しいし、成長につながります。

いろいろな経験をしましょう…!

それから、自分でオリジナル曲作るの、やっぱりできないや!という方はお問い合わせフォームやSNSのDMから連絡していただければ、なにかしらお手伝いできるかもしれないので、ぜひご相談ください。(問い合わせは無料です)

有料にはなってしまいますが、制作の代行(弾き語りによる楽曲提供)や、楽曲制作レッスン・レクチャーなどもできるかなと思います。

お気軽に!

以上です。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。